ITライター上倉賢のAll About

IT系ライターによる日常

Imou ネットワークカメラ レビュー

自宅の防犯や、ペットの様子を確認するような家庭向け監視カメラは各社から発売されています。様々な製品の中で、どこの製品を選べば良いか悩むところですが、今回、監視カメラメーカーとして世界第2位のDahua Technology(ダーファ・テクノロジー)社のコンシューマーブランドImouのネットワークカメラ3製品が株式会社ASK TRADINGを通して日本で販売開始されました。

今回発売されるのは最も手軽な Cue 1080p、カメラの向きを左右や上下方向に遠隔で操作できるパンチルト対応のRanger 1080p、防水で屋外への設置にも対応できる Bulletの3モデルです。

それぞれWi-Fiで一般的な2.4GHz帯に対応し、iOSAndroid向けに提供されるアプリから簡単に機器の登録、利用が可能なネットワークカメラです。
世界第2位の監視カメラメーカーの製品ということもあり、アプリの使い勝手も良く、誰にでも簡単に使えるネットワークカメラになっているようです。

設定方法や、各製品の使い勝手を確認してみます。

誰でも簡単にできるセットアップ

古いネットワークカメラの設定をした事がある方は、この手の製品はセットアップが難しいと思っている方も多いかも知れませんが、Imou製品のセットアップは簡単です。

アプリをスマートフォンにダウンロード
Imouアカウントを作成
カメラの電源を入れる
カメラにあるQRコードをアプリで読み取るかWPSで設定する
QRコードからの場合は、アプリからWi-Fiの設定をする

という流れで設定が完了します。

難しいルーター等の設定は必要なく、スマートフォンWi-Fiに接続できるスキルがあれば誰でも設定して利用出来る製品です。

カメラをWi-Fiに接続するにはWPSで設定するか、QRコードをアプリで読み取るという操作をします。
WPSで設定する場合は、他の製品と操作方法は同じです。

QRコードで設定する場合、機器の裏などにあるQRコードをスマートフォンで読み取る

スマートフォンから出る音でカメラのWi-Fi設定を行える

QRコードでの設定は、画面の指示に従い、Wi-Fi情報を入力すると、スマートフォンから鳥の鳴き声の様な音が鳴ります。
この音が鳴り終わると、Wi-Fi設定が完了するという流れです。

この初期設定で必要になるのは、Imouアカウントの作成と、WPSの設定か、Wi-FiSSIDと暗号化キー(パスワード)の入力だけです。この最低限の設定は、スマートフォンWi-Fiに接続するくらいのスキルがあれば誰でも可能で、数分以内に完了します。
ほとんどの方が悩むことなく、自宅などにネットワークカメラを設置し、外出先から簡単に確認できるようになるでしょう。

製品によってはネットワークの接続設定、Wi-Fiルーターの設定等、難しい設定や操作が必要になる物もあります。
Imouの製品は、スマートフォンWi-Fiに接続するのと同等の操作をするだけで簡単に設定可能なので、設定等が難しそうと思っている方でも問題なく導入できるでしょう。

カメラはImouアカウントと連携します。
複数のカメラの操作や、別のデバイスでの使用もImouアカウントを通してアプリから簡単に出来るようになっています。

複数カメラの登録や使用もアプリから簡単に操作できます。
アプリからカメラを追加し、アプリ内に並んでいるカメラを選択するだけです。
スマートフォンを買い替えるような場合も、新しい機種でImouアカウントにログインするだけで引き続きネットワークカメラを利用出来ます。
家族でカメラの画像を共有するような事も可能で、それぞれのアカウントを作成し、機器共有をします。
これらの設定もアプリ上から簡単に可能です。

今回発表された製品は、利用目的ごとに機能が異なりますが、主に室内利用か、屋外利用か、カメラの向きを遠隔操作できるパンチルト機能の有無で選ぶ事になります。

各カメラの詳細を見てみましょう。

Cue 1080p


Cue 1080pで撮影しiPhoneでライブ試聴しているときのキャプチャ画面

Cue 1080pは今回発表された中で、サイズもデザインも最もシンプルなネットワークカメラです。
ACアダプタも同梱されています。また、カメラ側の電源端子はmicroUSB端子になっており、一般的なスマートフォン向けの充電コードからも試しましたが、問題なく動作しました。

microUSBの電源端子と、WPS兼リセットボタンがあるだけのシンプルなデザイン

本体のデザインは非常にシンプルで、一見するとカメラとはわからないかも知れません。ボタン類もシンプルで、あるのはWPS兼リセットボタンだけで、電源ボタンもなく、電源コードを接続するだけで利用出来ます。
カメラの角度も調整できますが、115°(H)、62°(V)、137°(D)で超広角なので、部屋の角に設置すれば全域をほぼ網羅できると思います。
Wi-Fiに対応しているので、電源コードさえ届けばどこにでも設置出来ます。
ひっくり返して天井に取り付けるような設置方法にも対応しています。

カメラの角度調整も可能

一度設定すれば部屋の中で位置を移動させた場合も、電源に繋ぐだけで自動的に使えるようになります。

microSDカードスロットもあります。ここにカードを入れておけば録画データの保存が可能です。

見た目はシンプルですが、ネットワークカメラとしての基本的な機能は全て搭載されています。ネットワークカメラを始めて使う場合などにはちょうど良い機種です。

Ranger 1080p

Ranger 1080pで撮影しiPhoneでライブ試聴しているときのキャプチャ画面

Ranger 1080pはカメラの向きをアプリから遠隔操作できます。左右方向に動かすパンはもちろん、上下方向のチルトも出来るので、部屋の中を天井も含めて隅々まで確認できるネットワークカメラです。
今回同時に発売されているカメラの中で画角は少し狭い89°(H)、48°(V)、108°(D)です。一般的な広角に分類される範囲で撮影できます。カメラの向きを上下左右に動かせば、部屋の隅々を確認可能です。
他の製品はカメラの向きが固定されるので、設置位置を事前に検討する必要がありますが、こちらはどこにおいても、カメラを動かせるので、どの方向でも確認可能です。

microUSBの電源端子とWPS兼リセットボタンがあるだけのシンプルなデザイン

ACアダプタは同梱されている物を使用します。また、カメラ側の電源端子はmicroUSB端子での給電なので、一般的なスマートフォン向けのUSB電源アダプタとUSBコードでも問題なく利用可能でした。

Bullet

Bulletで撮影しiPhoneでライブ試聴しているときのキャプチャ画面

Bulletは今回の3モデルの中で唯一屋外でも利用可能で、Wi-Fiに加えて有線LANにも対応する防水仕様の製品です。
IP67の防水防塵仕様で、駐車場などの屋外の監視に向いています。
筐体も金属製でしっかりしており、長期間の屋外での使用でも問題無さそうです。

壁に取り付けるように設計されており、設置には壁に取り付け用のネジ穴を開ける必要があります。

壁への設置後にもカメラの角度調整が可能

電源ケーブルや有線LANケーブルは壁に穴を開ければケーブルを壁の中を通せるようになっています。穴が開けられない場合は横からも出せるようにもなっています。
電源は通常の100V電源用のACアダプタが同梱されています。
屋外対応という事で、Wi-Fiは 2x2 MIMO対応で通信距離は100mまで対応します。

リセットボタンやmicroSDカードスロットはネジを開けた蓋の中にある

microSDカードスロットも搭載し、内部への録画データの記録も可能です。
他のカメラは動体検知のみ自動録画しますが、唯一連続録画モードも搭載しています。

画角は112°(H)、60°(V)、132°(D)で超広角になっており、かなり広い範囲まで1台で撮影できます。

カメラの画質は日中も夜間も問題なし

スマートフォンの画面を直接キャプチャした画像。ぬいぐるみの質感もよくわかる。

各カメラの解像度はフルHDに対応し、隅々まで綺麗に表示可能です。
試しにテレビに向けて、アプリの画面からテレビを鑑賞してみましたが、家でテレビの方を向いて視聴しているかのような感覚で、スマートフォンの画面上で、テレビを問題なく楽しめるくらいの画質と音質でした。
画質と音質は非常に高く、細かな場所の確認も問題ないでしょう。

この画質は、日中や明るい部屋の中での物で、監視カメラ用途では、薄暗いところでの性能も気になります。

カメラは周囲の明るさを検知し、日中や照明がある明るい場合には通常のカメラ、夜や照明のない暗い部屋の中では、自動的にカメラが暗視カメラのモードに切り替わります。

真っ暗な室内を、暗視カメラモードで撮影しているiPhone画面のキャプチャ画像

暗視カメラのモードは、内蔵するIR LEDから目に見えない赤外線が照射され、深夜などの真っ暗な状態でも状況を確認できます。

肉眼では何も見えないような真っ暗闇で、通常のカメラでは何も写らないような状況でも人の姿などを問題なく撮影できます。

使い勝手の良いアプリ

アプリの設定画面。わかりやすいメニューで簡単に設定可能。

動体検知の範囲を実際の画面から指定できる。

動体検知機能が用意されています。
不審者の侵入があった場合に状況を自動録画し、スマートフォンに通知することが出来ます。
この機能は、曜日や時間帯を指定したり、検知する部分を指定したり除外する事も可能です。
普段家にいる時間帯は除外し、外出時のみ有効に設定すれば、外出時に何かあったときだけ自動録画し、スマートフォンに通知するようなことが簡単にできます。

検知感度は5段階に設定可能で、外出時だけ検出するように曜日や時間帯の選択、床で動くロボット掃除機やペットなどの位置を検出範囲から排除する事も可能です。
検知感度中間で試すと、画面の極一部だけが動いた状態を確実に検出しています。

スピーカー搭載モデルは通知で不審者を検知したら、遠隔操作でスマートフォンから不審者を声で威嚇することも可能です。

1画面に4つのカメラを同時表示可能

アプリは1画面に複数のカメラの画像を4つまで同時に表示することも可能です。
複数のカメラを登録している場合にスマートフォン1台だけで各カメラの画像を同時に確認できます。

各カメラに用意されている録画データ保存用のmicroSDカードスロット

各カメラにはmicroSDカードスロットがあります。動体検知したときの自動録画データなどの撮影データはカード内に保存出来ます。
記録されたデータは遠隔操作でも、何日の何時頃のデータを再生するかを選んで再生可能です。
これに加えて別途有料になりますが、クラウドに保存することも可能なオプションが用意されています。

クラウドへの録画データの保存も可能

録画データはmicroSDカードに保存出来ますが、カメラやmicroSDカードを盗まれたり、破壊されると録画データを確認できません。クラウドに保存しておけばカメラに問題があっても録画データはクラウド上にあるので確実に確認出来ます。
何かあったときの備えにカメラを設置するのなら、録画データも万が一に備えてクラウドに保存しておくのが良さそうです。
クラウドに録画したデータもアプリから簡単に確認できます。ネットワークカメラは各社から販売されていますが、リアルタイムの画像、カメラ内に保存した画像、クラウドに保存した画像を簡単に遠隔操作で確認出来るクラウドサービスが用意されているのもImou製品の特徴です。
万が一に備えるならリアルタイムや、カメラ内録画データだけでなく、クラウドサービスに加入して、データ自体も守るのが確実です。

料金は過去3日分なら月額1.99ドル(約220円)、1週間分なら月額2.99ドル(約330円)、1ヶ月なら6.99ドル(約780円)。1年プランはさらに安くなります。
支払いはPayPalやクレジットカードで行えます。
30日間の無料お試しも用意されています。安心を買うという意味で試しにお試しで使って様子を見てから必要なプランを選べるのもいいですね。

Imouのアプリは、iPhoneAndroid向けが用意されています。一般的な環境では問題なく利用可能で、このアプリを使えば、世界中どこにいても、いつでも自宅などの状況が確認できるようになります。
さらに、Windows用アプリ、パソコンのWebブラウザにも対応しているので、パソコンから確認したい場合にも利用可能です。

誰でも簡単に使えるネットワークカメラ

Imouのネットワークカメラとアプリは、難しい設定もなく、設置も簡単、一般的なスマートフォンでいつでもどこでもライブ画像の確認が可能です。動体検知した録画データも簡単に確認可能です。
肉眼では全く見えない深夜でも撮影できるなど、ネットワークカメラとして一般的に必要な機能はあり、オプションにはなりますが、クラウドへのデータ保存も可能で機能面での不足はありません。

面倒な設定をせずにお手軽に使いたいが、機能が足りないのは困るという用途に答えるコストパフォーマンスの高いネットワークカメラです。

上倉賢 (id:AllAboutKamikura) 


ITライター上倉賢